プロジェクトニュース プロジェクト詳細
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プロジェクト詳細2021年12月14日 12:00
プロジェクト詳細
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南阿蘇の農福連携と地域連携のいま
「九州の水がめ」ともいわれる阿蘇。「水の生まれる郷」のキャッチフレーズで知られる南阿蘇はいたるところに水が湧き出ています。
環境省が「日本名水百選」に選定した白川水源や「平成の名水百選」の全部で11か所もの水源を有し、さらに硬水、軟水の水質をあわせ持つ環境はビールづくりにはまさに奇跡のような場所です。
▲阿蘇山(左)と小池水源(右)
このような南阿蘇の新たな顔として登場したのが「阿蘇ブロンドエール」。
▲白川水源の水と南阿蘇産米、大麦を使用した「阿蘇ブロンドエール」
ビールの主原料であるホップの栽培は寒冷地に適し、害獣被害のない作物。その本格的な栽培が、まさにこれから始まろうとしています。
今回ホップ栽培の予定地は、南阿蘇村の道の駅「あそ望の郷くぎの」近くの就労継続支援B型事業所「LABみなみ阿蘇」からすぐの畑。
約10アールの面積で棚の高さ5メートルのホップ棚を設置予定です。
※南阿蘇のこれまでのホップ栽培の取り組みについてはこちらをご覧ください
南阿蘇産原料を使ったビールへの挑戦
ビールの主な原料は、水、麦芽、ホップですが、クラフトビールではその副原料として農産物を加えて多種多様なビールをつくることができます。
製造の過程で南阿蘇の魅力あふれる農業生産者の方々と連携することも可能です。
今回のクラウドファンディング限定リターン品となる特別醸造のビールは、仕込み水に白川水源の水、原料の一部に農福連携で取り組む南阿蘇産の大麦と今回のホップを使用してOEMで製造します。
副原料には「ヒース」と呼ばれるハーブを使用します。
ヒースは、スコッチウイスキーの原料となるモルトの香りづけで燻すピート(泥炭)の元となる植物。咲き誇る可憐な花は、スズランのような咲き方が特徴です。
阿蘇はかつて巨大なカルデラ湖が広がっていたといわれ、地中にあるピート層がそのことを物語っています。
4世紀頃のブリテン諸島でケルト人の祖、ピクト人たちが醸造していたという伝説のビール「ヒースエール」をオマージュしたものです。
阿蘇の太古のロマンに思いを馳せながら飲んでいただきたいと思います。
※一般社団法人GIAHSライフ阿蘇は事務局として、今回のプロジェクトの全体コーディネートを行います
今回のプロジェクトは南阿蘇一体となって行う事業になります。
▼全体コーディネイト:一般社団法人GIAHSライフ阿蘇
代表の大津愛梨氏は南阿蘇で農業生産者として、阿蘇の自然と農業を通した循環型社会の実現に向け幅広く活動を行っています。
※詳しくはこちらからご覧ください
▼ビール原料の生産・箱詰め等:LABみなみ阿蘇
「共生」をキーワードに南阿蘇村、ひいては阿蘇の地域福祉力の向上を目指し活動する、株式会社南阿蘇ケアサービスが運営する就労継続支援B型事業所。
“障がいは個性”。その個性を認め合い、その個性を活かして生きていくことをサポート。その先に人が共に支え合って生きていく共生社会の創造を理念としています。
本プロジェクトでは、ホップ等の原料栽培に加え、ビールの資材箱詰めや組み立てを行います。
▼ビール副原料の生産:地域の生産者のみなさま
クラウドファンディング限定リターン品となる特別醸造のビールの原料のホップ、大麦、副原料「ヒース」はLABみなみ阿蘇のメンバーと一緒に行う予定ですが、今後このプロジェクトの先には、南阿蘇産のコーヒー豆、イチゴ、ブルーベリー、リンゴ、柿、ルバーブ、トマト、バジル、レモングラス、阿蘇高菜、葉わさびなどを副原料にしたビールも企画中です!
▼ビール製造:みなみ阿蘇ビール㈱
「水の生まれる郷から最高のビールを」という想いのもと、2021年6月南阿蘇村にて創業。南阿蘇の豊かな水資源の活用と、世界農業遺産に認定された阿蘇をベースに循環型農業や農福連携による農産物を原料に使用してビールづくりをスタート。
2021年9月販売開始となった野焼き前の金色に輝く阿蘇山をイメージした「阿蘇ブロンドエール」は大好評をいただいています。
※現在は九州内の他クラフトビールメーカーに製造を委託。数年後には村内にブルワリー設立を予定
▲ホップの収穫を行った「LABみなみ阿蘇」のメンバー
これまで、南阿蘇で地域と連携しながらホップの試験栽培を3年にわたって実施してきました。
今年初めて収穫を迎えたホップ畑で、作業を行った障がい者支援施設のメンバーが「これがビールの原料になるとね」と笑顔で話しながら収穫作業をする様子は、まさにこれまで夢に描いてきた光景そのものでした。
南阿蘇のクラフトビールの高まりは、村内の農業生産者の様々な取り組みをアピールする機会となるとともに、食のブランディングの中心的な役割を担うことが期待され、あか牛料理はもとより、新たな加工食品とのコラボレーションなども今後生まれていくはずです。
2023年には、みなみ阿蘇ビール㈱にて醸造所設立が計画され、南阿蘇の農業生産者が主体となり販売元となるオーナー制クラフトビールが誕生します。
リターン品について
オール南阿蘇産クラフトビール、南阿蘇の農産物や特産品などをお届けします。
応援メッセージを頂きました
熊本県議会議員 岩田智子 様
沢山の応援メッセージは、こちらよりご覧ください。
後藤コーヒーファーム様
笠野ファーム様
ベリー樹ベリー農園様
阿蘇有限会社阿蘇健康農園様
みなみ阿蘇ビール株式会社様
熊本大学熊本創生推進機構様
山村酒造合名会社 様
合資会社長江眼鏡店様
NEW! 今村法律事務所 今村一彦様
NEW! 肥後ライアーの会 池末みゆき様
NEW! 在熊阿蘇ふるさとの会 会長 北里敏明様
最後に…
今回、南阿蘇産のビール造りを行うプロジェクトの第一弾として「農福連携」をテーマに南阿蘇の地域連携を進めてまいりました。
今回のプロジェクトは、原料生産からビール醸造まで障がい者支援施設が一貫して携わって商品になるところまでを見届けることができ、将来的な醸造所の設立の際には一自治体の中で農業生産者と醸造所が連携する全国的にも注目される試みとなるはずです。
障がいを持っていても誇りを持って働ける環境と手を差し出し、差し伸べる共生社会。
自分が携わった商品が目の前にあり、消費者の方々に喜ばれること。
こんな未来を作りたい…
今後は夏の収穫時期における毬花収穫イベント、ホップ畑が織りなす新たなランドマークを楽しむグリーンツーリズム、クラフトビール醸造所見学、南阿蘇鉄道のビール列車、秋祭りイベント「オクトーバーフェスト(ビールの新酒フェア)」など新たな観光資源の創出と南阿蘇の食材を活かしたさまざまなイベントも計画しています。
熊本地震から5年を迎え、待ち望んだ新阿蘇大橋が開通しました。阿蘇の山々のように地域のさまざまな人たちと連携して、このビールが南阿蘇のみならず阿蘇全域、ひいては熊本の未来をつなぐ幸せのビールとなるように。
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プロジェクト詳細2021年12月14日 11:00
発起人紹介
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プロジェクト発起人 自己紹介
南阿蘇における三年にわたるホップ試験栽培の実証結果を踏まえて、本格栽培に向けて動き始めました。栽培に至った経緯は、南阿蘇の休耕地活用、新規就農および障がい者就労支援、害獣被害のない作物としての可能性を感じたことからでした。そして、ホップの青々とした蔓が天上に向かって5メートルの高さまで伸びて毬花をつける様子を、幾筋もの涙の痕のように地震で傷ついた阿蘇の山肌に重ね合わせ、復興への祈りと、私自身を含めてそこに暮らす人々の心のいやしになるのではとの思いからでもありました。
熊本地震から5年を迎え、待ち望んだ新阿蘇大橋が開通しました。阿蘇の山々のように地域のさまざまな人たちと連携して、このビールが南阿蘇のみならず阿蘇全域、ひいては熊本の未来をつなぐ幸せのビールとなれば幸いです。
内田英喜
1961年熊本生まれ。東京にて出版、広告関連の仕事を行い、2012年に帰熊。農業法人に勤務後、阿蘇および南阿蘇の障がい者福祉施設にて生活支援や農福連携の仕事を行う。熊本地震後の2018年より南阿蘇に移り住み、ホップの試験栽培に取り組む。一般社団法人GIAHSライフ阿蘇社員。みなみ阿蘇ビール株式会社取締役。
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プロジェクト詳細2021年12月14日 10:00
一般社団法人GIAHSライフ阿蘇について
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一般社団法人「GIAHSライフ阿蘇」
設立の目的は「世界農業遺産の阿蘇に住む全ての人々が、生まれてから死ぬまで、阿蘇で幸せに豊かに暮らせるような事業やサービスを提供すること」。
設立日は2016年12月21日。「その日を境にどんどん明るくなる」という意味で、熊本地震があった年の冬至の日を設立日に。阿蘇を明るくしていく組織になれたらという思いを込めて。
代表理事 大津 愛梨
1974年ドイツ生まれ、東京育ち。慶応大学環境情報学部を卒業した後、熊本出身の夫と結婚し、共にミュンヘン工科大学(ドイツ)に留学して、修士課程を修了。2003年から夫の郷里である南阿蘇で就農し、無農薬米などの栽培に取り組む。2014年にNPO法人田舎のヒロインズ理事長に就任。農業、農村の新しい価値について発信や活動を続けている4児の母。
・『日経ウーマン』の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2008 リーダー部門」受賞
・『オーライニッポン』「ライフスタイル賞」を受賞(2009年)。
・ FAO(国連食糧農業機関)アジア地域事務所より「模範農業者賞」を受賞(2017年)
・「ジャパンアウトドアリーダーズアワード」受賞(2018年)
・『フィガロ ジャポン』の「第1回ビジネス・ウィズ・アティチュード」受賞(2021年)
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プロジェクト詳細2021年12月14日 09:00
GIAHSライフ阿蘇の地域活性化支援
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GIAHSライフ阿蘇の地域活性化支援事業のご紹介 ~コミュニティカフェの人と場所づくり~
一般社団法人GIAHSライフ阿蘇は、熊本地震があった2016年に設立されました。
世界から価値を認められた農村である阿蘇に住む人が、ここで生まれて死ぬまでの健康と暮らしと環境に配慮する事業やサービスを提供し、コミュニティビジネスや地域活性化を実践する企業、団体および個人のネットワークを構築することを通じて、交流や提携の機会を提供し、この地の発展と持続可能な社会の実現に寄与することを目的としています。
2017年にはインフラの被害で大きな影響を受けた地元の観光業に少しでも貢献しようと、農業と観光の「創造的復興」を目指して県内では初めて「レストランバス」を招致。
同年、災害時には地域住民に温かい場所や食事、電気、トイレが提供できる「コミュニティカフェ」をオープンしました。
以来、そのカフェ(GIAHSカフェ)を拠点とした地産地消メニューの開発や地域の他世代間交流を促すための手仕事ワークショップ、都市農村交流活動等をはじめ、学校に行きにくい子供たちの場所づくりや、仕事に就きづらい生活弱者、独居老人の食事サポートなどに取り組んでいます。
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プロジェクト詳細2021年12月14日 08:00
GIAHSライフ阿蘇の子育て支援について
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GIAHSライフ阿蘇の子育て支援についてご紹介 ~森のようちえんの人と場所づくり~
“森のようちえん”というのは、デンマークで生まれた取り組みで、雨でも雪でも、それにふさわしい恰好で森に出かけます。
散策ルートはいくつかある場合が多く、子どもたちは繰り返し同じ場所に行くことで、四季の変化や森のルールを体感します。
南阿蘇エリアには東日本大震災後に関東からの移住者が増え、その中でも豊かな自然の中で子育てしたい家族が集まって、2013年には森のようちえんの活動がスタートしていました。
当時、森のようちえんの活動日は週に2日だけ。
主にお母さんたちが当番制で先生を務め、月に2、3回ぐらいではありますが、丸1日つぶして森のようちえんに参加するというスタイルでした。
そこで、一般社団法人GIAHSライフ阿蘇では、補助金を活用して保育士さんを週に1回だけ雇って活動日を増やすことができました。
そしてこれを機に2019年4月に託児サービス事業をするのが前々からの夢だったというご夫婦が、森のようちえん「おてんとさん」を立ち上げました。
参加する子どもたちも増え、2020年4月からは預けられる日が週3日から週4日に発展しています。
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プロジェクト詳細2021年12月14日 07:00
ホップ栽培の取組について
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ホップ栽培について、これまでの取り組みをご紹介します
南阿蘇で寒冷地栽培に適したホップの試験栽培を始めて三年。
これまでの実証を踏まえ、いよいよ本格的な栽培が始まります!
ホップとは
ビールの主原料のひとつであるホップ。
ホップ農場を見られたことがある方は多くないかもしれませんが、実はホップは青々とした蔓が大空に向かって5メートルの高さまで伸びて毬花をつけます。
▲1年目のホップ試験栽培の様子
ホップ栽培にかける想い
南阿蘇でホップの試験栽培を始めるきっかけは、「京都与謝野ホップ生産者組合」の視察を行い、南阿蘇での休耕地活用、新規就農や障がい者就労支援と害獣被害のない作物としての可能性を感じたことからでした。ホップ苗の種類や栽培法については、これまで宮崎県延岡市の「宮崎ひでじビール」の全面協力を得ながら、南阿蘇村での栽培を取り組んできました。
春先の発芽から蔓を伸ばし、その成果として夏に鞠花を摘む、そしてそれがビールの原料となる。
そして次の年も、翌年も。
阿蘇の大自然のなかで、この循環を未来につなげたい。
そんな想いで3年にわたる有機栽培のホップ試験栽培を行ってきました。
今夏、2年目と3年目となるホップを収穫でき、最終的に生育、収量面でも南阿蘇がホップ栽培の適地として検証することができました。
収穫の際には、南阿蘇ケアサービスの就労継続支援B型事業所「LABみなみ阿蘇」のメンバーと一緒に。
「これがビールの原料になるとね」と笑顔で話しながら収穫作業をする様子は、まさに夢に描いてきた光景そのものでした。
試験栽培1年目、農福連携に向かって
試験栽培1年目は、南阿蘇では2か所の圃場でそれぞれ法面を活用した栽培方法と高さ4メートルの単管パイプを一列立てて試験栽培を行いました。
また産山村の標高約700メートル圃場では、高さ3メートルの支柱を10方向のロープで支え、それに沿って10株のホップ苗の植え付けをしました。
法面を利用した栽培では、標高約400メートルの圃場に60株の苗を定植。
幾度か台風の影響で草抑えの防草シートがめくれ、修復に手こずったのと法面に沿って一面に張ったネットに通常垂直方向に延びるホップの蔓を這わせて定着させる作業に時間を要しました。
もうひとつの標高約500メートルの単管を立てた圃場に定植した20株は、台風の影響を受けることなく垂直方向にロープに絡まって蔓がみごとに伸びきり好結果となりました。
双方とも、発芽から葉を付ける段階でハムシの被害が出たものの問題なく鞠花をつけました。
収量効率はやはり単管パイプの圃場、法面圃場の順で、それなりに一定の成果を上げることができました。
産山村の圃場では、土壌性質からハムシが多く発生し、発芽したての新葉がダメージを受けて弱ったのと、梅雨時の湿地状態から根腐れを起こして生育することができませんでした。
気候的には標高600メートル前後で風の影響を受けにくく、土壌性質と水はけのよい場所が適地であることを確認できました。
このことを踏まえて、その次の年は南阿蘇にて単管パイプを立てた圃場を残し、新たに水はけのよい圃場を確保して、京都与謝野ホップ生産者組合の視察時に行われていたハウス支柱を使用した栽培方法を採り入れました。
間口6メートル、奥行き40メートルのハウス支柱2棟分を設置して100株のホップ苗を新たに購入して定植を行いました。
試験栽培2年目、新たなステップへ
2年目の単管パイプの圃場は、側枝摘芯をし、鞠花を大きくなるように生育しました。
1年目のハウス支柱での栽培は、定植してそのまま大部分の新芽が育つようにし、それにともない塊根を大きく、地下茎が広がるようにしました。
単管パイプ栽培のホップは昨年より鞠花も大きく、数を増やしました。
ハウス支柱栽培の1年目のほうも順調に鞠花をつけました。
試験栽培3年目、ホップ収穫!
3年目となる単管パイプ栽培のホップ、2年目のハウス支柱栽培のホップともに発芽前と鞠花をつける前にオール8の有機配合肥料を追肥として入れて、充実した鞠花の生育をはかりました。
それぞれ、約3キログラム、約12キログラム、合計乾燥重量約5キログラムを収穫できました。
本格栽培への挑戦
試験栽培を終えて、ホップの本格栽培1年目のスタートとなるプロジェクトが動き始めます。
今回のクラウドファンディングでいただいた資金を活用して、単管パイプを利用した金属製のホップ棚を建設。一反300株のホップを本格栽培による収量アップを目指します。
みなさまに「水の生まれる郷」南阿蘇から、地域連携でつくる美味しいビールを届けるため、応援よろしくお願いいたします!!
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