プロジェクト詳細2021年12月14日 07:00

ホップ栽培の取組について

ホップ栽培について、これまでの取り組みをご紹介します

南阿蘇で寒冷地栽培に適したホップの試験栽培を始めて三年。
これまでの実証を踏まえ、いよいよ本格的な栽培が始まります!
 

ホップとは

ビールの主原料のひとつであるホップ。

ホップ農場を見られたことがある方は多くないかもしれませんが、実はホップは青々とした蔓が大空に向かって5メートルの高さまで伸びて毬花をつけます。


/data/blog/archive/original/27901.jpg
 ▲1年目のホップ試験栽培の様子


 

ホップ栽培にかける想い

南阿蘇でホップの試験栽培を始めるきっかけは、「京都与謝野ホップ生産者組合」の視察を行い、南阿蘇での休耕地活用、新規就農や障がい者就労支援と害獣被害のない作物としての可能性を感じたことからでした。ホップ苗の種類や栽培法については、これまで宮崎県延岡市の「宮崎ひでじビール」の全面協力を得ながら、南阿蘇村での栽培を取り組んできました。

/data/blog/archive/original/27898.JPG


春先の発芽から蔓を伸ばし、その成果として夏に鞠花を摘む、そしてそれがビールの原料となる。

そして次の年も、翌年も。

阿蘇の大自然のなかで、この循環を未来につなげたい。

そんな想いで3年にわたる有機栽培のホップ試験栽培を行ってきました。

今夏、2年目と3年目となるホップを収穫でき、最終的に生育、収量面でも南阿蘇がホップ栽培の適地として検証することができました。

収穫の際には、南阿蘇ケアサービスの就労継続支援B型事業所「LABみなみ阿蘇」のメンバーと一緒に。

「これがビールの原料になるとね」と笑顔で話しながら収穫作業をする様子は、まさに夢に描いてきた光景そのものでした。

 

試験栽培1年目、農福連携に向かって

試験栽培1年目は、南阿蘇では2か所の圃場でそれぞれ法面を活用した栽培方法と高さ4メートルの単管パイプを一列立てて試験栽培を行いました。

また産山村の標高約700メートル圃場では、高さ3メートルの支柱を10方向のロープで支え、それに沿って10株のホップ苗の植え付けをしました。

/data/blog/archive/original/27896.JPG


法面を利用した栽培では、標高約400メートルの圃場に60株の苗を定植。

幾度か台風の影響で草抑えの防草シートがめくれ、修復に手こずったのと法面に沿って一面に張ったネットに通常垂直方向に延びるホップの蔓を這わせて定着させる作業に時間を要しました。

もうひとつの標高約500メートルの単管を立てた圃場に定植した20株は、台風の影響を受けることなく垂直方向にロープに絡まって蔓がみごとに伸びきり好結果となりました。

双方とも、発芽から葉を付ける段階でハムシの被害が出たものの問題なく鞠花をつけました。

収量効率はやはり単管パイプの圃場、法面圃場の順で、それなりに一定の成果を上げることができました。

産山村の圃場では、土壌性質からハムシが多く発生し、発芽したての新葉がダメージを受けて弱ったのと、梅雨時の湿地状態から根腐れを起こして生育することができませんでした。

気候的には標高600メートル前後で風の影響を受けにくく、土壌性質と水はけのよい場所が適地であることを確認できました。

このことを踏まえて、その次の年は南阿蘇にて単管パイプを立てた圃場を残し、新たに水はけのよい圃場を確保して、京都与謝野ホップ生産者組合の視察時に行われていたハウス支柱を使用した栽培方法を採り入れました。

間口6メートル、奥行き40メートルのハウス支柱2棟分を設置して100株のホップ苗を新たに購入して定植を行いました。



 

試験栽培2年目、新たなステップへ

2年目の単管パイプの圃場は、側枝摘芯をし、鞠花を大きくなるように生育しました。

/data/blog/archive/original/27899.JPG

1年目のハウス支柱での栽培は、定植してそのまま大部分の新芽が育つようにし、それにともない塊根を大きく、地下茎が広がるようにしました。

単管パイプ栽培のホップは昨年より鞠花も大きく、数を増やしました。

ハウス支柱栽培の1年目のほうも順調に鞠花をつけました。


 

試験栽培3年目、ホップ収穫!

3年目となる単管パイプ栽培のホップ、2年目のハウス支柱栽培のホップともに発芽前と鞠花をつける前にオール8の有機配合肥料を追肥として入れて、充実した鞠花の生育をはかりました。

それぞれ、約3キログラム、約12キログラム、合計乾燥重量約5キログラムを収穫できました。
 
/data/blog/archive/original/27895.JPG




 

本格栽培への挑戦

試験栽培を終えて、ホップの本格栽培1年目のスタートとなるプロジェクトが動き始めます。 

今回のクラウドファンディングでいただいた資金を活用して、単管パイプを利用した金属製のホップ棚を建設。一反300株のホップを本格栽培による収量アップを目指します。


/data/blog/archive/original/27897.JPG


みなさまに「水の生まれる郷」南阿蘇から、地域連携でつくる美味しいビールを届けるため、応援よろしくお願いいたします!!
 
/data/blog/archive/original/27868.jpg
 


▶プロジェクト概要へ戻る